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EARTH CONSULTING OFFICE
2016.12.26 不動産の税金

不動産にまつわる税金~譲渡所得税・譲渡住民税について~

皆様、こんにちは!古賀です

今回のコラムは「不動産にまつわる税金について詳しくなろう」第4回となります。

 

さて、前回に引き続き、不動産関連の税金概要詳細ということで、今回は「譲渡所得税・譲渡住民税について」をご説明させて頂きます。

是非最後までご高覧下さいませ。

 

 

 

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個人の所得には、給与・事業所得など10種類があり、所得税と住民税がかかってきます。この中でも住宅や土地などの資産を譲渡したときに生じた譲渡取得については、他の所得とは分離して課税し、税率も総合税率と異なります。

 

<計算式>

【譲渡取得(譲渡益)=譲渡収入(売却代金)-(取得費+譲渡費用)】

譲渡取得の計算式は上記のとおりです。マイホームであれば、その売却代金から、取得の為に要した費用(取得費)と譲渡の為に要した直接費用(譲渡費用)を差し引いた額が譲渡取得となります。

◆取得費◆

マイホーム取得の為の直接費用を言います。

「土地建物の購入代金、建築費」「仲介手数料・登記費用・抵当権設定費用」「不動産取得税」「印紙税」「リフォーム費用」などが含まれます。

また、資金を借り入れた時から居住するまでの間に支払った金利も対象となります。

尚、建物の取得費では減価償却が必要になります。建物は年月と共に老朽化し、価値が下がります。その為、取得価額から経過年数分の減価償却をする必要があります。

償却方法は、建物の構造に応じた法定耐用年数の1.5倍の旧定額法・売却率で計算します。

<計算式>

取得価額-(取得費×0.9×償却率×経過年数)=譲渡取得計算上の取得費

<マイホームの償却率(定額法)>

・木造→33年、償却率:0.031

・鉄骨造→28年、償却率:0.036

40年、償却率:0.025

51年、償却率:0.020

・コンクリート造→70年、償却率:0.015

 

◆譲渡費用◆

譲渡の為に直接要した費用になります。「仲介手数料」「印紙税」「測量費用」「分筆の為の費用」「建物の取り壊し代」などがこれに当たります。

 

◆概算取得費◆

土地建物の取得時期が分からない時、取得費が5%未満のケースには、売却価格の5%を取得費にして計算出来ます。これを「概算取得費」と言います。

 

 

そして、譲渡取得にも特別控除軽減措置などがあります。

 

◎3,000万円控除の軽減措置◎

①譲渡する時まで、そのマイホームに居住していること。

②転勤していて本人が住んでいない場合には、配偶者などが住んでいて、戻ってくれば同居すると認められている時(過去に住んでいて、住まなくなった後も、現在まで引き続き扶養家族が居住、他に持家がないケースも対象になります)。

③過去に住んでいたマイホームで、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡(災害などで壊れた時は敷地だけでも対象となり、同じく3年目の年末まで認められます)。

④敷地だけの場合は、建物を取り壊した日から1年以内の譲渡であること(建物を残したまま(曳き家も含む)敷地の庭先を売った時には使えません)。

⑤前年、前々年にこの3,000万円控除や後述「◎居住用の買換え特例◎」の適用を受けていないこと(3,000万円の控除は3年に1度しか適用されません)。

これらの条件を満たしているマイホームを譲渡した時の譲渡所得には「居住用の3,000万円特別控除」が認められています。

例えば、5,000万円で売却したマイホームの取得費や譲渡費用が1,000万円の場合、譲渡取得は4,000万円になりますが、さらに特別控除で3,000万円を差し引くことが出来るので、譲渡所得は1,000万円となります。

もし売却代金から取得費などを差し引いた金額が、3,000万円以下なら課税所得はゼロに。税金はかかってきません。

3,000万円を超えた譲渡益がある場合は、用件を満たせば軽減措置が適用されます。これについての詳細は後述「◎軽減税率課税◎」を参照下さい。

この3,000万円の特別控除ですが、次のような特別な関係にある人に売った場合は適用されません(後述「◎軽減税率課税◎」も同じです)。

  1. 配偶者、親子、祖父母、孫、内縁の夫や妻
  2. 生計を一にしている親族
  3. 本人や親族が経営する同族会社
  4. 売買後に同居する親族

尚、3,000万円控除の適用を受ける為には、譲渡の翌年の3月15日までに確定申告をする必要があります。

ご注意下さい。

 

◎軽減税率課税◎

マイホームを譲渡した時は、3,000万円控除後の課税取得に対して、所有期間別に「5年以下」「5年超~10年以下」「10年超」の3種類の税率が決められています。

10年超の場合は軽減税率になりますが、10年以下は3,000万円の控除はあるものの、一般の不動産を譲渡した時と同じ税率が適用されます。

この所有期間は「売却した年の1月1日現在」で判断することになります。

年数と税率は

・5年以下→取得税:課税所得に対して30.63%、住民税:課税所得に対して9%

・5年超~10年以下→取得税:課税所得に対して15.315%、住民税:課税所得に対して5%

・10年超(課税所得6,000万円以下の部分)取得税:10.21%、住民税:4%

・10年超(課税所得6,000万円超の部分)取得税:15.315%、住民税:5%

 

◎居住用の買換え特例◎

買換え特例とは「譲渡した価格以上のマイホームに買い替える場合には譲渡税全額を、譲渡価格以下の買換えでもその金額に応じた譲渡税を課税繰り延べ」するものになります。

つまり、そのマイホームに住み続ける限り、買換え資産取得分については譲渡税はかかってこないことになります。

買換え特例の条件については、以下の通りになります。

<譲渡する土地・建物>

  1. 用途は居住用(マイホーム)であること。
  2. 所有期間が譲渡した年の1月1日現在で10年を超えていること。
  3. 居住期間が10年以上であること。

※適用期限は平成29年12月31日まで、住宅の土地・建物の譲渡耐火の上限は1億まで。

<買い替える土地・建物>

  1. 土地500㎡以下、建物50㎡以下。
  2. 既存の耐火建築物(中古マンションなど)は建築後25年以内。
  3. 建築後年数が耐火建築物で25年超の場合、新耐震基準に適合している事。
  4. 譲渡した年の前年から翌年末までに買換え資産を取得。

買換え特例ですが、近い将来に再度買い替えてしまうと損をしてしまうこともあります。買換え特例は「課税を繰り延べている」ということであり、「課税を次の売却の時まで猶予している」にすぎません。

つまり、買い替える場合に思い譲渡税がかかってくることもあり得ます。

したがって買換え特例の適用には、この点の注意が必要です。

 

 

いかがでしたか?渡所得税についてはこのように特例や軽減措置もありますので、結構難しいと思います。

そんな時は不動産のプロに相談お気軽にご質問くださいね

 

 

次回は「贈与税」についてお話し致します!